新型コロナウイルス感染症に関して2

昨日夜、新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議から新たな提言がありました。その中で、現在の状況については「引き続き持ちこたえている」とされた一方、「感染源のわからない患者が継続的に増加する地域が全国に拡大すれば、どこかで『オーバーシュート』と呼ばれる爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねないとも述べています(リンク)。

 

現状および今後を考えるにあたり、まず、この約1か月間の、国内外の変化を振り返ってみたいと思います。日本は、当初からクルーズ船問題を抱えており、約1か月前の時点では、日本の対応が国内外で強く非難され続けていました(リンク)。しかし、その後の国内の感染状況は、他国と比較すると緩やかな増加にとどまっており、最近は日本の取組が逆に国際的に一定の評価を得ています(リンク)

 

一方、国外に目を向けると、ヨーロッパで初めての死者がでたのが、やはり1か月前の2月22日で、78歳のイタリア人男性でした(リンク)。その当時は、恐らく欧米では、対岸の火事のように、中国や日本の状況をみていたことでしょう。しかし、その後の感染拡大により、昨日3月19日には、イタリアでの死者数(感染者ではありません!)が3,400人超となり、それまでずっとトップだった中国の死者数3,200人を上回ってしまったのです(リンク)また米国では早くも感染者数が1万人を突破し、日本国内の感染者数(クルーズ船除く)約1千人の10倍となっています(リンク)。またたく間に感染は世界中に広がり、本日3月20日、世界の感染者数は24万人、死者数は1万人を突破しました(リンク)。この1か月で世界は劇的に変容したのですが、現在も感染者数・死者数のグラフは急激な上昇カーブを描いており、感染の勢いはこれからさらに悪化することが確実です(リンク)現在の欧米はまさに爆発的な感染拡大、いわゆるオーバーシュートの状況といえます。

 

日本は現在、「持ちこたえている」状況ではあるものの、感染者数はゆるやかに増加中で、ピークを越えたわけではありません。例えるなら、山の中のあちこちで立ちのぼる小さな炎を必死に消火活動している段階ですが、炎の大きさやスピードが増し、もはや消火活動が追い付かなくなると一挙に山全体の火事になるように、いつ日本が新型コロナウイルス感染のオーバーシュートの波に飲みこまれてもおかしくない状況と考えます。そうなると、日本全体が、テレビで見る現在の変わり果てた欧米の姿のように、大混乱におちいります。そして、医療崩壊も確実に起こります。地震や交通事故などの患者への対応と異なり、肺炎などの感染症による死亡はその重症・危篤時の救急救命処置に莫大な時間的および人的・物的・経済的負担がかかるためです。

 

現時点でいえることは、他の多くの困難は伴うものの、引き続き、自分自身が感染しないこと、また職場や大切な家族に感染させないこと、を今の生活のなかで最優先事項とし、強い意識をもって日々行動すること、です。具体的には、まずは、国内外の人の流れを止めることが重要で、当分は不要不急の外出をできるだけ控えることが大切です。専門家会議は、北海道知事が行った外出制限も一定の効果があったと評価しています(リンク)。その意味で、欧米がやりだした一般人への強力な外出制限は理にかなっていると考えます。昨日は大阪府知事が兵庫県への不急不要の外出をしないよう呼びかけましたが、これは何も兵庫県だけに限ったことではないです。そして、他の方との接触や交流を避け、できるだけ部屋の換気を行い、密閉した空間を作らないことです。手洗いの励行、可能ならマスクの着用(あるいは咳エチケットの励行:リンクはこちら)、といった行動を冷静に行っていただきたいと思います。また、重症化リスクが高いとされる、高齢者や持病のある方、及びその家族は、特に感染防止の意識をより高く持っていただきたいと思います。

 

新型コロナウイルスの終息時期に関しては、世界で感染爆発がおき、ピークですら見えていない現状では、全く予想できませんが、少なくともいえることは、この1か月間で欧米の状況が劇的に変わったように、日本も1か月後には状況が一変している可能性も決して低くない、ということです。これからの数カ月、あるいは半年から1年程度続く、相当な長期戦を覚悟しないといけないと考えています。

  

新型コロナウイルス感染症は、当院含む一般病院では、診断もできず、治療法もありません。逆に慌てて受診することで、未感染なのに医療機関内で感染してしまうリスクもあります。軽度の風邪症状であれば、まずは自宅安静で対応をお願いします。枚方市・大阪府では、新型コロナウイルス感染症に関する相談センター(電話・ファクス)を開設していますので、ご心配な方は、まずはそちらでご相談ください(枚方市のリンクはこちら)(大阪府のリンクはこちら)

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック