枚方市における新型コロナウイルス感染症38例の分析


現在、大阪府の緊急事態制限も解除となり、感染状況も一旦は収束しつつある状況となりました。そこで、主に大阪府HP(リンク)の情報(5月23日時点)から枚方市居住者分を抽出し、枚方市HP(リンク)の情報も加えて、これまでの枚方市内の感染状況を分析してみました。

 

(1)枚方市居住者の1例目報告は3月3日で、現時点での最終である38人目の報告は5月20日でした。枚方市の人口は40万なので約1万人に1人が感染したことになります(感染率0.01%)。逆に言うと、「市民の99.99%は大丈夫でした」、ということになります。大阪府全体の人口880万のうち感染者1781人(約5千人に1人)、大阪市の人口275万のうち感染者737人(約3700人に1人)に比べても低く、この違いは人口密度や繁華街の規模の違いによるものと考えられます。

 

(2)報告数の推移をグラフ1に示します。感染のピークは4月7日で5人でした。大阪府全体のピークは4月9日の92人(リンク)で、ほぼ同時期でした。

 

(3)枚方市内の感染者38人中、死者は3人(死亡率7.9%)でした。大阪府全体の感染者数1,781人中、死者は78人(死亡率4.4%)でした。枚方市の死亡率は高いですが、分母に大きな違いがあり、統計学的な有意差はありません。お亡くなりになった方のご冥福をお祈りします。

 

(4)38人中、男性21人/55%、女性17人/45%と、男性の方が多めでした。大阪府全体でも男性976人/55%、女性805人/45%で、男性に多い傾向は同じです。

 

(5)年齢別の分布をグラフ2に示します。最も多かったのは50代の13人(34%)、続いて40代の8人(21%)、30代の5人(13%)です。興味深いのは、大阪市内では、最も多いのが20代の173人(23%)、続いて30代の137人(19%)、40代の129人(18%)と若い世代に多いことです。多くの繁華街がある大阪市内では若者が密集して感染を広げてしまった実態があったと思われます。日本全体では、多い順に、50代、20代、40代、30代、となっていますが(東洋経済のリンクから)(追記:6月10日時点では20代の感染者が最多となっています)、それらの年代間の差は各種の要因が平均化されごく小さいものとなっています。そして、小児科的に最も気になるのが子どもの感染ですが、枚方市内では10歳未満で1人(報告日は3月22日)、10代ではゼロで、結果的には子どもの感染はほとんどおこっていない、という状況でした。

 

(6)まとめ:今回の分析から、新型コロナウイルスは、少なくとも枚方市の状況を見る限り、幸いなことに、現時点ではそれほど広がらずに一旦収束を迎え、市中での感染リスクはかなり低い、ということでした。また、大阪市との比較から、人口密度や繁華街の規模により、感染率や年齢層が変わるという点もわかりました。そして、一般に言われている通り、子どもの感染リスクは大人よりかなり低いことが、枚方市においても確認できました。市内では子どもの感染者の報告は3月22日の1例のみであり、その後2か月以上子どもの報告者なし、という状況も知っておいて欲しい点です。

今後、散発的な感染発生があったとしても、すぐに大きく広がることはなさそうです。一方で、時期や規模は不明ですが、国内外の専門家が警笛を鳴らす第2波が来る可能性はあり、備えは必要です。

大阪府では、昨日23日から、遊園地の休業要請が解除になった(リンク)ので、近いうちにひらパー(リンク)ユニバ(リンク)も再開のアナウンスがあるものと思われます。おそらく、手指消毒・マスク着用・密集を避ける、などの対策をとったうえでの再開になると思われますが、早く元の賑わいが戻ればいいですね。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック