6~7月の枚方市における新型コロナウイルス感染症62例の分析


現在、新型コロナウイルス感染症の第2波とみられる流行が広がっています。枚方市でも、7月中旬以後に急激に増えています。そこで、今回は、6~7月に判明した枚方市内居住者の感染者を抽出して枚方市内の感染状況を分析し、併せて、前回5月24日に報告した第1波の38例の分析結果(リンク)と比較しました。参考資料は、大阪府HP(リンク)、および枚方市HP(リンク)の情報です。

 

(1)枚方市居住者の感染者は、5月の最終報告(5月20日)以後は、6月19日と7月2日に各1人、と散発的でしたが、7月15日以後ほぼ連日報告があり、7月31日までに62人の報告がありました。枚方市の人口40万として感染率0.016%です。大阪府全体の人口880万のうち6-7月の感染者2274人(感染率約0.026%)大阪市の人口275万のうち6-7月の感染者1087人(感染率0.040%)に比べても低く、この違いは人口密度や繁華街の規模の違いによるものと考えられ、第1波と同様の傾向です。62人中、男性33人/53%、女性29人/47%と、男性の方にやや多い傾向も第1波と同じです。

 

(2)報告数の推移をグラフ1に示します。感染のピークは7月25日の19人でした。第1波時のピークは5人(4月7日)で、これを大幅に上回っています。大阪府の今回のピークは現時点で7月29日の221人で、これも第1波のピーク92人(4月9日)を大きく上回っています。ただし現時点ではまだ収束の気配はなく、今後新たなピークが出現する可能性はあります。

 

(3)年齢別の分布をグラフ2に示します。最も多かったのは10代の18人(29%)、続いて20代の17人(27%)で、第1波では「50代・40代が多く、10代はゼロ、20代は2人」であった点と大きく異なります。しかし、10代18人の内訳は、小学生・高校生がゼロ、中学生が1人で、大学生7人・専門学校生3人・職を持つ人7人であり、ほとんどが18歳以上です。一方、今回、10歳未満はゼロでしたが、第1波でも1人であり、10歳未満の子どもは感染しにくいことがわかります興味深いのは、大阪市内では、最も多いのが20代の576人(53%)とこの年代で半分以上を占め、次いで30代の215人、40代81人と続きますが、10代はその次の67人(6%)と少なく、大阪市内では繁華街に出入りする従業員やお客の年代(20~40代)に大きく広がっていることが伺えます。

 

(4)今回の62人中、報告時点で軽症が57人、無症状が5人で、重症はゼロでした。また、枚方市居住者の死亡者数は、第1波の期間は3人でしたが、6-7月の期間はゼロでした。大阪府全体では、6-7月の感染者2274人中、死亡者は6人(死亡率0.26%)で、第1波の死亡率4.4%から大幅に低下しています。府内の死亡者6人の内訳は、50代・60代・70代が各1人(全て基礎疾患あり)、80代が3人でした。大阪府全体の2274人中、50代以上の418人(18%)に限っても、死亡率1.4%(=6/418)で、第1波と比べて低い死亡率となっています。しかし、死亡者数の動きは感染者数の動きから2-3週遅れて変化することがわかっています。今回の感染者数は7月後半から大きな波になっているので、これから8月上旬~中旬にかけての死者数が大きく変化する可能性はあります。

 

(5)まとめ:今回の解析から、枚方市居住者における新型コロナウイルスの第2波は、他でも指摘されている通り、20代前後の若者が中心で、10代でも多くが18歳以上です。そして軽症または無症状ばかりです。一方、現時点では、6-7月の市内の死亡者はゼロですが、全体の感染者数が増えると、重症化リスクが高いとされる高齢者の数も増え、それにつれて数週間後に死亡者数が増える可能性はあり、注意が必要です。

少なくともこれまでは、枚方市内の保育園・幼稚園・小学校で子どもが感染した事例はありません(過去、市内で唯一の未就学児感染例も、両親からの家族内感染でした。この報告は3月22日であり、以後4か月以上、小学生以下の子どもの報告はありませんまた、7月下旬に、市内中学校の生徒1人と教師1人の感染事例がありましたが、その後同校の教師・生徒354人のPCR検査は全て陰性であったことから、中学生レベルでの感染も極めて低いと考えられます。一方で、他の地域では、中学校レベルで小規模ながらクラスターが否定できない事例も報告されている点は留意すべきです(大東市の事例:リンク)(京都市の事例:リンク)いずれにしても、感染した若手スポーツ選手や若手芸能人のほとんどが、復帰後ほぼ元のレベルで活動できているのを見ても、子どもや若者は感染しても軽症か無症状であり、自身の健康を害する恐れは全くないと言えます(※)。一方で、子どもや若者から、重症化リスクが高い高齢者には感染させない、という点は強調する必要があります。

 

(※)糖尿病の持病を持つ28歳の大相撲力士が5月にコロナ感染により亡くなられましたが、これは、現時点で、国内最年少の死亡例と考えられています(リンク)。この例では、力士特有の肥満体型のため肺炎になれば心臓や肺により大きな負担がかかること、糖尿病により血栓が急速に増悪して多臓器不全に至ったと考えられること、など、一般人では極めて起こりにくい、非常に稀なケースと思われます。

 

(※※)今回の解析は、大阪府のデータから枚方市居住者を抽出して解析したものですが、例えば市内にある高校・大学は、市外からの通学者も多く、また、くずはモールでは数店舗で従業員の感染が確認されてますが(リンク)、市外からの従業員も多いと思われます。そのため、今回の解析が枚方市内の感染状況を、一部正確に反映していない可能性はあります。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック