高校1年女子の方と親の皆さんへ~子宮頸がんワクチンの3回接種は今からでも間にあいます!

子宮頸がんワクチン(以下HPVワクチン)は、定期接種としては小学6年生~高校1年生までの女子を対象とし、3回の接種が必要で、一般には1回目から最終3回目まで6ヵ月を要するとされていますが、間に合わない場合のルールがあり、1回目から2回目が1か月以上、2回目から3回目までが3カ月以上空ければよい、と添付文書に明記されています(リンク:「用法・用量に関する接種上の注意」参照)。そうすると、今年11月中に接種すれば、2回目を12月、3回目を3月に接種することで、全て無料で受けることができます(枚方市に確認済)。高校2年生以後もこのワクチンは接種可能ですが(最新の研究によると、30歳までに接種すれば十分な子宮頸がん予防効果があったとされています:リンクはこちら)、残念ながら無料の定期接種ではなく、自費のワクチンになります(しかもかなり高額です)ので、是非無料接種ができる期間内に3回接種を完了していただきたいと思います。このワクチンを受けずして、子宮頸がんを発症してしまったら、後悔してもしきれない、のではないでしょうか。

子宮頸がんは、毎年、日本人女性の約1万人が発症し、うち約3千人が亡くなられる病気です。そして、患者さんの多くが20代~40代であり、ほとんどの場合は子宮を摘出する手術が必要になるため、たとえ生きることができたとしても、出産をあきらめなければならない、という大変つらい病気です。一方で、子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスというウイルス感染から発症することが知られており(同ウイルスを発見し子宮頸がんとの関連を指摘したハウゼン博士は2008年ノーベル医学生理学賞を受賞)、このウイルス感染を予防するHPVワクチンが開発されました。その医学的重要性から、現在世界の80か国以上で、HPVワクチンの公費助成がされています。そして日本でも、HPVワクチンは2010年11月から公費対象となり、2012年には接種率67%に達しましたが、2013年6月に「積極的な推奨の差し控え」という措置が取られてから、現在は、接種率が1%以下となってしまいました。

 

当院HPのコラムでも、過去何度もHPVワクチンについて取り上げてきました。そして最近でも、HPVワクチンの必要性、重要性、安全性を指摘する医学界からの発表が相次いでいます。例えば、国の「積極的な推奨の差し控え」により、ほとんど接種する児がいなくなった2000~2003年生まれの日本女性では、子宮頸がんの発症者17,000人、死者4,000人の増加が見込まれる、とする衝撃的な推計を、今月、大阪大学のグループが発表しています(リンク)。これら多くの、HPVワクチンを支持する医学界からの声は、残念ながら国内の新聞やテレビで積極的に報道されないため、未だ多くの人が、このワクチンを怖いワクチンだと誤解していたり、定期接種ワクチンであることを知らなかったりしているのが実情です。こんな悲劇的状況が、漫然と続いているのです。


このような状況に大きな危機感をもった医学会や地方自治体は、それぞれのHPで、HPVワクチンの情報を発信し、また厚生労働省も最近になりHPVワクチンの情報を更新しています。その一部を以下にリストアップしたので、これらのサイトを是非参考にしていただいて、お子様のHPVワクチン接種について、検討していただきたいと思います。

  1. 日本産婦人科学会HPから(リンク)
  2. 岡山県HPから(リンク)
  3. 厚生労働省HPから(リンク)
  4. HPVワクチンを広めるクラウドファウンディングの解説記事(リンク:募金自体は終了しています)

今回は、高校1年女子の方とその親の方を特に意識した内容としましたが、もちろん、HPVワクチン定期接種の対象である小学6年~中学3年女子の方にも、早めに接種することをお勧めします。当院では、2020年1月以後、10人の方にHPVワクチンを接種していますが、まだまだ大変少ない状況と感じています。一人でも多くの方が、このワクチンを正しく理解して接種受けていただくことを、強く望んでいます。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック