8~10月の枚方市における新型コロナウイルス感染症186例の分析


枚方市内における8~10月の新型コロナウイルス感染状況を調べ、併せて過去2回の分析結果(リンク1:3~5月分)(リンク2:6~7月分)と比較しました。参考資料は、大阪府HP(リンク)、および枚方市HP(リンク)の情報です。

 

(1)8~10月に枚方市居住者の新規感染者は186人あり、男性96人、女性90人でした。男性に多い傾向はこれまで通りです。枚方市の人口40万人としてこの3か月間の感染率は0.047%で、大阪市(人口275万)の同期間の感染率0.17%(感染者4,737人)と比べて低く、これも過去2回の分析と同様の傾向です。人口密度や繁華街の規模の違いが地域の感染状況の差を生み出す要因です。

 

(2)日別の報告数の推移をグラフ1に示します。8月6日の12人をピークとする一つの山がありますが、この時期は、全国的な第2波のピークの時期に一致します(全国のピークは8月7日の1,595人、この日は大阪府だけで255人)。8月のお盆過ぎからは1日5人以下が続いた後、9/19に13人、9/20に6人のピークがありましたが、これは、枚方市内スポーツクラブのクラスター(リンク記事)による感染者増のためです。月別では8月83人、9月52人、10月51人(6月は1人、7月は61人でした)と推移しており、10月後半になっても新規の感染者数の減少は見られず、残念ながら当分は収束の気配は感じられません。

 

(3)年齢別の分布をグラフ2に示します。最も多かったのは20代の60人で約1/3を占めました。この世代で最も感染者が多いのは全国的な傾向です。続いて50代の37人(20%)で、前回最多だった10代は今回15人(8.1%)と比率が大きく減少しました。10代の15人中、小学生(高学年に相当)は1人、中学生は1人、高校生は5人でした。10歳未満は3人(1.6%)で、これまで同様、割合が最も少ない世代でした。10歳未満児3人の内訳は、未就学児2人、小学生(低学年に相当)1人です。

今回は、中学生以下で5人の感染者がいたことになりますが(未就学児2人、小学生2人、中学性1人)、全て親からの家庭内感染であることがわかっており、これは過去2回の報告と同様です

 

(4)今回の186人中、報告時点で軽症が168人、無症状が18人で、重症はゼロでした。未就学児・小学生・中学生の5人に限ると、無症状が2人、軽症が3人です。また、枚方市居住者の8~10月における死亡者数は1人(80歳女性)でした。大阪府全体では、8~10月の感染者8,697人中、死亡者は152人(死亡率1.7%)で、第1波の死亡率4.4%より低下していますが、6~7月の死亡率0.26%からは一見、大きく上昇しています。これは、前回の分析でも指摘しましたが、6~7月の感染者のほとんどが7月後半からのものであり(62人中59人が7月15日以後)、感染から重症化するまで2~3週かかることから、この期間の感染者は8月以後に重症化したと考えれられるためです。

 

(5)まとめ:今回も子どもの感染者数は極めて少ない結果でした。過去の報告と併せても、これまで枚方市内の感染者数のべ286人中、未就学児は2人、小学生は3人、中学生は2人で、この7人全員が、親からの家族内感染です。また、これまでに、枚方市内の保育園・幼稚園・小学校・中学校の校内で子どもから感染が広がった事例はありません。以上からは、これまでも繰り返し指摘してきましたが、子どもが発熱しても、親が発熱などの症状がなければ、子どものコロナ感染の可能性はほぼ否定できます。また、万一、子どもがコロナに感染したとしても軽症か無症状であり、子どもにとっては、インフルエンザなどコロナ以外の感染症の方が、重症化するリスクが高く、注意すべきと考えます

一方で、現在、寒い季節に向かって国内外で再び感染拡大の局面にあり、収束には程遠い状況です。優先すべきはコロナ感染により重症化しやすい高齢者を守り、医療現場を守ること、そして子どもの成長発達にとり大切な日々の保育・教育現場を維持することです。やるべきことは、社会経済活動を保ちつつ、お出かけの際の手指消毒や3密回避を心がけ、密な状況ではマスク装着をする、といった基本的な感染対策の徹底に尽きます。コロナへの感染対策が、そのままインフルエンザ含めた他の感染症予防にも役立ちます。

 

(※)これまで同様、今回の解析も、大阪府のデータから枚方市居住者を抽出して解析したものですが、例えば市内の高校・大学・企業・商店街には、市外からの通学・通勤者も多いため、今回の解析が枚方市内の感染状況を、一部正確に反映していない可能性はあります。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック