2020年11~12月の枚方市における新型コロナウイルス感染症581例の分析


現在、全国的に新型コロナ第3波が広がっています。今回は枚方市における11~12月の新型コロナウイルス感染状況を調べました。参考資料は、大阪府HP(リンク)、および枚方市HP(リンク)の情報です。ただし、11月16日以後、大阪府による集計・発表形式が変更され、市毎の性別や年代の情報が報告されなくなったため、これまでと一部分析の視点が異なります。

 

(1)12月末までの枚方市居住者の新規感染者は累計864人ですが、うち11~12月の感染者は581人(67.2%)で、この2か月間だけで全感染者の2/3を占めています。また、市内の死者数は累計17人ですが、うち13人(76.4%)がこの11-12月の死亡であり、しかも11月3人、12月10人(58.8%)と、死者数の増加が加速しており、極めて深刻な状況と言えます。全国集計でも、全感染者数233,785人のうち11~12月の感染者は133,023人(56.9%)、全死者数3,459人のうち11-12月の死者は1,694人(49.0%)と、この2か月での増加が著しくなっていますが、枚方市の感染者・死者の増加度は共に全国レベルを上回っています

 

(2)子どもの感染状況は、集計・発表方式の変更により詳細は不明ですが、枚方市内の中学生以下の子どもの感染事例は少なくとも累計21人あり、うち11-12月の報告は少なくとも14人(66.7%)あり、やはりこの2か月で急増しています。ほとんどは親からの家族内感染と考えられますが、11月中旬にみられた同一幼稚園での3人は、親が感染者ではなく、感染経路不明の事例(園内での感染が否定できない)でした。

 

(3)日別の報告数の推移をグラフ1に示します(青の棒グラフ)。日ごとの増減があり傾向がわかりにくいので、今回は、1週間の移動平均(その日を中心とした1週間の一日平均)を赤の折れ線グラフで示しました。これを見ると、小さな増減を繰り返しつつじわじわと増加し続けているのがわかります(右端に少し下がっているのは年末年始による検査数減少の影響と思われます)。感染が一旦落ち着く気配はまだ見えず、当分は高止まりの状況で推移していくものと思われます。大阪府全体としては、感染者数のピークは12月上旬でしたが、下降のペースはゆるやかです(グラフ2:枚方市HPからの図を編集)。

 

(4)まとめ:枚方市の報告を見ても(リンク)、病院や高齢者施設、企業などで感染が相次いでいます今回の第3波の特徴は、第1波第2波よりはるかに大きな波であるだけでなく、「施設や家庭内感染が多い=高齢層の感染比率が高い=死亡者や重症者が高い」、という点にあり、医療機関への負荷が高まる一方であることです。冬場の寒さが北半球における感染拡大の大きな要因なのですが、これまでの経験から、気温や緊急事態宣言による感染状況の改善はあくまで短期的な効果に限られます。長期的に今後の状況を大きく変える力があるのは、やはりワクチンしかないように思えます。副作用や長期的効果などまだ未解明な点はありますが、今年2月にも開始が予定されるワクチンに大きな期待をしたいと思います

 

(5)もう一点、指摘しておきたいのは、感染は全国に拡大していますが、重症者や死者の状況は、地域差がとても大きいという点です。例えば、東京都はここ連日千人以上の感染者が報告され、大阪府の3~4倍程度ありますが、重症者数は、1月5日時点で大阪府161人vs東京都111人と、重症者の割合は少ないのです。また、死亡率も、東京都は1.1%で全国平均の1.5%を下回っています(リンク)。この主な理由は、東京都では相対的に若い感染者が多いから、とされています。地方でも、死亡率には差があり、岩手、富山、石川では死亡率5%以上ですが、鳥取県や島根県では未だ死亡者ゼロです(リンク)。国内外の情報を見ても、コロナウイルスの状況は地域差がとても大きいため、枚方市内の感染状況をチェックするのは有意義と考え、今後も定期的に情報をアップしていきたいと考えています。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック