日本女性で子宮頸がんの増加が示される:ワクチン報道も方向転換の兆し

(朝日新聞から:リンクはこちら)

近年、日本で子宮頸がんが増加していることが明確に示されました。記事では「原因は不明」とありますが、原因ははっきりしています。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染が(性交渉を介して)広がっていること、です。そしてその感染を予防するための無料の「子宮頸がんワクチン」があるにも関わらず、平成25年6月から6年近く事実上ストップしていることが最大の問題です。しかも、記事に記載されている「治りにくいタイプ」の18型は、このワクチンで予防できる型そのものなのです。

オーストラリアでは、逆にこのワクチンの普及により子宮頸がんが激減し、将来はこの病気がなくなるとも言われています(以前院長コラムでもとりあげました:リンクはこちら)

今回、朝日新聞は、ごく短く、ワクチンによる予防について触れています(新聞の見解ではなく医師の話として)。見逃しそうなくらいの小さな触れ方ですが、世界中でこのワクチンの重要性がますます明確になっている現状を見て、ようやく重い腰を上げたようにも思えます。今後子宮頸がんワクチンの再開に向けて多くの大手メディアが、これまでの批判や無視の立場から方向転換し、一般人の理解が進み、安心してこのワクチンを受けてもらえる日が一刻も早く来ることを期待しています。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック