国際的な常識を無視する日本高野連にがっかり:高校生の肩肘を守るだけでなく日本チームが活躍するためにも投球制限は導入すべき

(朝日新聞バーチャル甲子園から:リンクはこちら)

新潟県高野連が高校生投手の障害予防のため投球制限を導入すると発表しましたが、それに対して日本高野連が待ったをかけました。投球制限はまず高校生の肩肘を守ることが最大の目的ですが、それだけでなく、日本の野球が国際大会で成功するためにも導入すべきと考えます。

 

野球の国際大会では、既に厳格な投球制限ルールがあります。例えば、第4回WBC(2017年)では、一次ラウンド65球、二次ラウンド80球、準決勝・決勝95球の制限があり、さらに50球以上投げたら中4日、30球以上投げたら中1日、連投したら中1日の登板間隔を空けるというルールでした。また、昨年のU18アジア選手権では、105球投げたら4日間、50~104球投げたら翌日の登板禁止というルールでした。

 

近年、WBCでもU18大会でも、日本チームは苦杯をなめており、その原因の一つに国際ルールへの適応が不十分なことがあると思います。投球制限は、試合の作戦面でも大きな変化を及ぼします。日本チームが国際大会で活躍するためにも、普段から同様のルール下で試合をして、指導者や選手が慣れておくことがより重要になります。高野連の決定はそれにも逆行するものです。

 

春夏の甲子園は今や国民的行事となり1大会あたり400億円超の莫大な経済効果を生んでおり(リンクはこちら)、これは一人のエースが必死に投げ続けるという感動ドラマによるところが大きい、という事情も日本高野連の判断に影響した可能性があります。誰のための高校野球なのかをきちんと考えてほしいと思います。

新潟県連盟は、予定通り投球制限はする方向のようです。応援したいと思います。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック