ラクビー日本代表が風疹対策の助っ人で登場!

(厚労省HPから:リンクはこちら)

アイルランド戦の劇的勝利で益々盛り上がるラクビ―日本代表が、日本でまん延する風疹対策の助っ人として登場です!そのみなぎるパワーで風疹もストップして欲しいところですが、こればかりは実際に戦いに挑むのは、我々一般市民です。このポスターでも選手の力強い写真につい目がいくのですが、最も注目してほしいのは囲みの中にある「あなたが風しんに→妊婦さん感染→赤ちゃんが障がいをもって生まれる可能性があります」「抗体検査をお願いします」という所です。

前回記事でも触れましたが(リンクはこちら)、風疹対策の中で、現在中心となっているのが、過去のワクチン接種が不十分で、現在の風疹患者の多くを占める成人男性(具体的には昭和37年~昭和54年生まれ)に対する風疹の抗体検査およびワクチン接種の促進です。既に対象者には自治体からこれらを無料で受けられるクーポンが届いていると思います(今回は誕生日が昭和47年4月2日~昭和54年4月1日の方:枚方市HPはこちら)。しかし実際にはまだ利用者が極めて少ないため、大阪府では、該当する男性職員への検査の実施を決めたほどです(リンクはこちら)。今後この流れが多くの自治体や企業に広まってほしいと思います。

また、従来からある、妊娠を希望する女性とその配偶者・妊婦の配偶者に対しての助成事業も継続しています(枚方市HPはこちら)。いすれのケースも、希望者は当院でも対応しておりますので、まずはお電話にてお問い合わせください。

風疹流行による最大の被害者は、妊婦のおなかの中にいる赤ちゃんです。妊婦が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに難聴・視力障害・心臓疾患などの先天異常を生じる危険があります(先天性風疹症候群といいます)。大変残念なことに、今年既にこの病気をもって生まれた赤ちゃんが3人報告されています。そして今まさに、ラクビーワールドカップで世界中の人々が日本を訪れ、また日本各地の試合会場やファンゾーンで大勢の人が集まっており、感染拡大の潜在的リスクが高い状況です。少しでも多くの方がなるべく早く(できれば今すぐ)、上記の制度を利用して、検査及び予防接種を受けてほしいと思います。ラクビー日本代表が教えてくれたのは、どんな難敵でも、己を信じ、勇気をもって粘り強く戦えば勝利できるということでした。風疹という難敵の制圧も、粘り強く続けていけば、きっと達成できると考えています。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック